わかりづらいアンティークジュエリーの価格にも実は価格の基準があります。
ジュエリー以外で、例えば現代のお洋服であれば素材やデザイン、ブランドの違いで価格を比較しますね。
アンティークジュエリーでそのような基準となるのは、主に素材と古さ、希少性などが挙げられます。
それぞれの要素について簡単に触れてみましょう。
〈 素材 〉
金属や宝石など原材料に対しての価値の違い。
金属(18K>9K>シルバー>合金)
宝石(ダイアモンド>サファイヤ>アメジスト)宝石の内包物の有無、
ダイアモンドなど宝石の大きさなども。
〈 古さ 〉
年代により技法も異なり、古いものは特殊な作りのものが多いため高価になります。
また、古いほどジュエリーの生産量も少ないため希少性が高いことも要因です。
〈 希少性 〉
アンティークの時代にも流行りや定番のデザインがあります。
珍しいデザインや、人気があるけれど数の少ないデザインのものは高価になります。
〈 状態 〉
長い年月を経ているアンティークジュエリーですが、大切に扱われてきたものは状態が良いものです。
宝石を留める爪の欠損などは美観に響かないダメージでも、強度に影響がある場合があり価格に影響します。
細かい部分ですがジュエリーに嵌まっている宝石が当時のものかどうか、割れていないか、石の周りの爪が
きちんと残っているかなどは確認すべきポイントです。
素人目にはわかりづらいので、お店の人とコミュニケーションをとって聞いてみると良いかと思います。
ex. 要素の兼ね合いなので、例えばシルバーとガラスで作られた18世紀中期のリングは、
同じ大きさの18金とダイアモンドの1940年代のリングより高額になることもあります。
古いことで付加価値があり高額なイメージのあるアンティークですが、
今のジュエリーと比べてはどうでしょうか。
現代のジュエリーの価値は、大まかには素材とデザインや細工、ブランドの要素で決められています。
アンティークの価値を決定する要素は前述した素材と古さ、希少性などでした。
異なる要素で価値を設定されている二者なので比較は難しいところですが、
可能な部分で比較検討してみます。
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まずどちらにも共通するのは’’素材’’ですが、
単にダイアモンドの大きさやゴールドの金位で比べるだけでは不十分です。
なぜかというと、アンティークの時代は現在よりダイアモンドなど宝石の採掘量が少なく、より貴重でした。
ーー以下GIAのHPより抜粋。ーー
>>>>1870年代のダイヤモンド原石の年間生産量は、百万カラットをずっと下回っていました。
1920年代には、これが300万カラットほどになりました。 50年後、年間生産高は5000万カラットに到達し、1990年代には、年間1億カラットを突破しました。<<<<(抜粋終わり)
このように採掘量が少ない時代に本当に希少であった宝石は丁寧にカットや研磨されたは、相対的に価値が高いと言えるでしょう。
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次に''デザインや細工''について。
製作するのに工程の多いもの・手間のかかるものは製品になるまでにコストがかかるため価格が上がります。
近年はアンティーク調のデザインが人気で
様々なブランドから古いものに似たデザインのものが提供されていたり
こだわりのある方ではオーダーメイドでアンティーク調のリングを作る方もいらっしゃいます。
しかしどれだけ似たデザイン、同じ技法のものを製作してもアンティークと同じクオリティーのものを作ることは不可能と言えるほど困難です。
また価格については、もし現代に同じ素材と技術で製作することができた場合大変高額になります。
なぜなら同じジュエリーでも、現代のものとアンティークジュエリーでは素材も技法も美の基準も異なるためです。
現代の主なジュエリーは皆さんが街やインターネットで目にするように大量に作られており、
ダイアやゴールドを用いたものでも多くは鋳造で効率よく作られたものです。
一方、アンティークのジュエリーはたくさんのパーツから作られていたり
型取りではなくそのものを彫りこまれて作られています。
当時はいまほど機械などが発達していなかったため、
現代の視点から見ると効率を度外視して製作されているのです。
加えて、現代は画一的な仕上がりのジュエリーが理想とされるため、
一般に職人の手によるジュエリーでも、工業的な仕上がりを目指して仕立てられていることが殆どです。
私たちジプシーアンティークスは日本での販売だけでなくアンティークの本場イギリスで現地のディーラーとしての経歴があります。
ロンドンでは一般の人への販売の他、市内のジュエリーショップやアンティークディーラーへの卸も行っていました。
現地の市場で揉まれる中で培った経験があるからこそ紹介できる品質と価格のものをご案内しています。
一見不明瞭に思えるアンティークの価格ですが、信頼できる品質と価格のものを選ぶ際に役立てて頂けますと幸いです。